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平大臣記者会見(令和7年6月6日)

平デジタル大臣記者会見要旨

(令和7年6月6日(金)9時10分から9時27分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)

1. 発言要旨

私は6月1日(日)から6月5日(木)まで、フランス共和国へ出張し、OECD閣僚理事会に参加いたしました。会合では、デジタルの活用による包括的かつ強靭な未来の構築をテーマとするデジタル関係のセッションに、リードスピーカーとして参加いたしました。
 本セッションでは、データドリブンエコノミーの進展に伴い、共通の価値観を持つ国との間でデータ活用の基盤となる信頼性のある自由なデータ流通であるDFFT(Data Free Flow with Trust)の取組の具体化を迅速に行うこと、AI等の活用により政策立案にかかるスピードを一層上げること、データガバナンスに関する政策を提言するOECDの体制強化に向けた継続的な議論が必要であることを発信いたしました。
 また、OECDと本年議長国コスタリカ共和国が主催したDFFTに関する対話を深めるハイレベルパネルにも登壇いたしました。私は、DFFT推進に向けて、プライバシー保護や国家安全保障などのデータの越境流通における政策課題に対して、規制のみならず先端技術との組み合わせにより、データの越境流通の信頼性を確保すること、データを最大限活用する社会の実現に向けて、引き続き貢献することについて発信いたしました。
 昨年日本が議長国を務め、DFFTの重要性を発信し、OECD及び本年議長国のコスタリカ共和国によって引き継がれたDFFTの推進に向けた各国との連携を、今後もより一層深めてまいります。
 引き続き、国際データガバナンス等に関する議論を深めるとともに、日本の国際的なデジタル分野での貢献、影響力向上を図っていきたいと考えております。

マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載についてお知らせいたします。今日の会見には、マイナンバーのPRキャラクターであるマイナちゃんにも参加をしてもらい、重要な節目となる発表をさせていただきたいと思います。
 皆様のおよそ半分が使っていらっしゃる、iPhoneへのマイナンバーカード機能の搭載について、6月24日(火)にリリースする予定となりましたので、お知らせいたします。なお、リリース予定日については、今後の最終テストで、更なる確認が必要となった場合には、変更することがあり得ますので、その際は改めてお知らせいたします。
 マイナンバーカードをスマートフォンに搭載することで、手元にスマホがあれば、カードを持ち歩くことなく、また、パスワード入力なしで、スマホの生体認証を利用することで、各種サービスが利用できるようになります。
 今回のiPhoneへのマイナンバーカード機能搭載では、電子証明書機能に加えて、氏名・生年月日等のマイナンバーカードの券面に記載された情報を相手方に送信し、証明する機能も搭載されることとなります。
 利用可能となる具体的なサービスとしては、6月24日(火)のリリースの当初から、マイナポータルでの薬や医療費、年金の情報確認や、引越しなどのオンライン申請、住民票の写しや印鑑登録証明書などの各種証明書のコンビニ交付サービスが利用できるようになる予定であります。
 また、リリース以降、順次、マイナ保険証としての利用や、対面での本人確認・年齢確認・住所確認などの利用など、利用シーンの拡大に取り組んでいきます。
 なお、本日、デジタル庁のホームページにおいて、本サービスに関する紹介サイトを新設しておりますので、具体的な内容については、そちらもご参照ください。
 iPhoneへのマイナンバーカード機能搭載によって、UI・UXは格段に良くなりますので、iPhoneをご利用されている国民の皆様におかれましては、是非、本機能の搭載を進めていただければと思います。

2. 質疑応答

(問)マイナンバーカード機能のスマホ搭載に関してお伺いします。当初、春の終わりという予定で進められていたかと思いますが6月ということで、これは多少遅れてしまったということかという点と、理由があれば教えてください。

(答)時期については、明確にリリースというよりは、このぐらいにやりたいよねと希望的観測も含めて前大臣のもとで発信されていたかと思います。実際にリリースしたはいいがうまく動かなかったということがあってはいけませんので、Apple社とデジタル庁でいろいろな詰めの作業、もしくはバグも含めた確認作業を行ってきた結果として、このタイミングになったと。我々としては、できるだけ早く実装を、という思いがありましたけども、安全性との両睨みで、このタイミングになったということであります。

(問)Androidはまだ電子証明書のみですが、Androidへの対応に関して教えてください。

(答)Androidの対応につきましては、今ご指摘いただいた通り、電子証明書機能は今すでにあると。属性証明機能の搭載については、まだされていないという現状であります。相手方がある調整事項となりますので、具体的な時期を申し上げることは難しいのですが、早期の搭載実現に向けてGoogle社とは話を進めていると。時期については、まだお話しできる段階にありません。

(問)マイナンバーカード機能をiPhone搭載する一方で、国としてはスマホ新法を進めていて、サイドローディングですとか、iPhoneのセキュリティレベルを下げるような取組をしているように思うのですが、今後、スマホ新法が動き出した時に、国民としてはiPhoneセキュリティレベル低くなったからマイナンバーカード機能搭載やめようかなと思うかなと思うのですが、その辺の懸念、なにか感じていますでしょうか。

(答)そちらの法律、所管ではないですけど、サイドローディングするんでしたっけ、Apple。抑制的だと思いましたけど。

(問)一応できるようにはするみたいな感じだったと思います。あと機能開放ですとか。

(答)今、大臣としてではなく、党にいるときにその問題にかかわっている中で、サイドローディングの課題については、競争環境を整えると同時に、やはりセキュリティの問題があると私は認識していたので、私自身は、今サイバーセキュリティも担当しているので、サイドローディングのところに対しては、私自身は、慎重な立場で、党ではいたのですが、その後フォローしていないということであります。その上で言えば、いわゆる使えるスマホのブランドは、いくつか限られていると思います。その中で、Androidを使うのか、Appleを使うのかという比較の問題だと思うんですよね。その時に消費者の人がどう思うかということで、おそらくAndroidの方が競争環境が整えられている状況にあるので、どちらを使いますかという話だと思います。一方で、スマホは、今なくてはならない状況になって、皆さん持ち歩いているので、マイナンバーカードも一緒に持ち歩くのか、それで事が足りるのであればスマホだけでいくのかという判断にもなるのかと思いますが、サイドローディングのところをもってして、広く国民に不安が広がっているという認識はありません。

(問)iPhoneへのマイナンバーカード機能搭載について、国民の皆さんにとって今利用シーンが多いのはやはりマイナ保険証だと思いますが、マイナ保険証の利用が可能となる時期と、あと運転免許証については仕組みが違うので使えないという理解でよろしいでしょうか。

(答)まずマイナ保険証でありますが、iPhoneのみならずAndroid端末についても、マイナンバーカード機能が搭載されたスマートフォンを、マイナンバーカードと同様に、各医療機関等で健康保険証として利用できるようにしていく予定であります。具体的には、厚生労働省において、今年7月から一部の医療機関等において実証実験を行った後、9月頃より環境が整った医療機関から順次、運用を開始する予定と聞いております。今の端末にアタッチメントを付けてタッチするような形になるかと思いますが、今申し上げたようなスケジュールで行くことになると思います。あとマイナ免許証についてですが、本年3月から開始した、いわゆるマイナ免許証は、希望者のマイナンバーカードのICチップの空き容量に独自アプリを搭載し、運転免許証情報を記録して、運転免許証として利用できるようにするものであります。今回iPhoneに搭載される機能の中には、この運転免許証用の独自アプリは含まれていません。ですので、現時点においてマイナ免許証のスマホ搭載は実現していません。他方で、デジタル社会の実現に向けた重点計画というものがありまして、その重点計画においては、スマートフォンに運転免許証情報を記録するモバイル運転免許証については、極力早期の実現を目指すとされています。ですので、そのことを踏まえて引き続き、警察庁と連携し、早期実現に向けて今検討を進めているところであります。

(問)改めて、今回のiPhoneへの搭載で期待されている効果を教えてください。

(答)iPhoneを使っている人多いので、私もiPhoneなので、実はAndroidの、今までの機能は経験したことがありませんでした。ですので、実際に使ってみていただいて、利便性を実感してもらうと。そして、UI・UXの改善を実感してもらうということが大事だと思います。マイナンバーカード実装時は、暗証番号を入れなければいけないと、それで利用シーンも少ないことからですね、暗証番号自体を忘れてしまっているケースもあって、私自身も衆議院第一議員会館のB1のセブンイレブンで、確か印鑑証明だか住民票だかを取る時に暗証番号を覚えてなくてロックがかかった経験があります。そこから生体認証が入ったり、さらには生体認証が活用される環境の中で、いわゆるiPhoneをはじめとしたスマホに搭載されることによって、どんどんUI・UXは改善されていくと、便利になっていくと思います。デジタルデバイドの大きな要因として、やはりUI・UXにかかるところが非常に大きいと思っているので、徐々にスマホでのマイナンバーカード機能の体験が増えていくと、これ結構使いやすいな、と実感していただけると思いますし、だんだんタイミングとしてですね、マイナンバーカードを持ち歩かなくても、スマホだけでなんとかなると実感していただけるようになるのではないかと思います。その辺大変期待しているところであります。

(問)おそらく身分証明書の展開がアメリカに次ぐ初めてのケースかと思いますが、この意義、理由をお願いできますでしょうか。

(答)日本はとかくデジタルが遅れているとかですね、初代デジタル大臣からは、デジタル敗戦という言葉をよく聞くわけでありますが、全ての分野で遅れを取っているわけではありません。こういったことで、一つ一つ実現して、デジタル化を進めてまいりたいと思いますし、デジタルガバメントの方もですね、デジタルガバメント、ガバメントクラウドと来て、今、行政支援AIと展開してきておりますので、あらゆる政策がようやく日の目を見るというかですね、国民の皆さんに実感していただけるフェーズに入ってきたのだろうと思いますので、全ての政策を着実に進めて、皆さんに実感していただきたい。デジタル敗戦というような不名誉な名前はできるだけ早く払拭したいと思いますし、そのためにも、国民の皆さんに利便性を実感していただくことが大事だと思います。特にスマホ搭載は、その中で大変強力なツール、オプションだと考えております。

(問)iPhoneに搭載されるということで利用者もかなり増えるかと思います。情報漏洩などについて心配する声も出てくると思いますが、改めてその辺の心配に対する懸念の声に対しては、どのようにお考えでしょうか。

(答)この情報漏洩はセキュリティの問題だと思いますが、これはもう世界各社、最先端の技術を使って、Androidにおいても、Appleにおいても取り組んでいることだと思います。そういった中で、いろいろな何ですかね、開発にあたっては、デジタル庁とそういった事業者とですね、議論を重ねて搭載に至っているということでありますので、あまりご懸念は当たらないだろうと思っています。是非、安心して使っていただきたいと、そのように思っております。

(問)改めてデジタル庁として今回マイナンバー機能搭載のプロモーションを計画しているようでしたらコメントをお願いします。

(答)プロモーション、どうしてましたっけ。一応、マイナちゃんがここに来るのが、かなり大きな、デジタル庁的にはイベントなのですが、デジタル化全般においてですね、デジタル庁で適宜、必要な広報をしておりますので、それの中で考えていきたいと思います。

(以上)